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ホーム > 時事紹介 > 平成19年版 > 平成18(2006)年12月22日

金融庁が公認会計士・監査法人制度の充実・強化についてを公表

http://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/kounin/siryou/20061218.html
金融庁の金融審議会は、18日、公認会計士・監査法人制度のあり方等について総合的な検討を行ってきた結果をとりまとめ、公認会計士・監査法人制度の充実・強化についての報告(案)を公表した。 これは、カネボウやライブドアの粉飾決算事件といった公認会計士監査をめぐる会計不祥事を受け、監査の適正性の確保を図ろうとするもので、「監査法人等における品質管理・ガバナンス・ディスクロージャーのあり方」、「監査人の独立性と地位の強化のあり方」、「監査法人等に対する監督・責任のあり方」などが議論されている。 今後、金融庁は、本報告(案)に基づき、公認会計士・監査法人制度の整備を進めるものと見られる。

公認会計士・監査法人制度の充実・強化についての報告(案)の概要

監査法人等における品質管理・ガバナンス・ディスクロージャーのあり方

1.

監査法人の品質管理については、すでに品質管理基準が策定されているが、監査の質の確保に向けて更なる規定の明確化が求められる。

2.

監査法人において適切な業務運営を確保し実効性ある組織的監査を実施していくためには、内部統制やITを含む広範な知識と経験が求められることから、公認会計士でない者(自然人に限る。)にも監査法人の社員資格を認めていくことが適当である。

3.

監査法人自身の透明性を高めることにより適切な品質管理体制を確保していく観点から、監査法人に対して適切な情報開示を義務付けていくことが適当である。

監査人の独立性と地位の強化のあり方について

1.

監査証明業務に関与した公認会計士が退職後に担当していた会社等の役員等に就任した場合にその就任先に対し出身監査法人が監査証明業務を提供すること、および監査証明業務に関与した公認会計士が退職後に被監査会社の役員等に就任することについては、現行制度上、制限が存在する。 しかし、証券取引法上の監査が連結ベースで行われること等を考慮すると、制限先を被監査会社の親会社や連結子会社等の役員等にまで拡げていくことが適当である。

2.

いわゆるローテーション・ルールについては、大規模監査法人における上場会社の監査を担当する主任会計士に係る日本公認会計士協会のルール(継続監査期間5年、インターバル期間5年)を踏まえ、法令においても同様の規定を整備する。 但し、監査人の知識・経験の蓄積の中断、監査人や被監査会社に生じる交代に伴うコスト、大規模監査法人の数が限定されている中での交代の実務上の困難さといった観点からその問題点も指摘されるところであり、少なくとも現状においてこれを導入することについては慎重な対応が求められる。

3.

監査人が被監査会社の経営者との間で監査契約を締結し、監査報酬が被監査会社の経営者から監査人に対して支払われるという仕組みには「インセンティブのねじれ」が存在している。 したがって、これをどのように克服していくかが重要な課題となるが、わが国では、例えば監査人の選任議案の決定権や監査報酬の決定権を監査役等に付与していくことが適当である。

4.

財務書類の信頼性を高め監査の質を確保する観点からは、被監査会社および監査法人による監査報酬に関する適切な情報の開示が求められる。 また、監査人の交代については、監査人の独立性や地位が脅かされる形での交代を防止する等の観点から、交代が生じた際の情報開示について、その充実・強化を図っていくことが適当である。

5.

監査人が財務書類に重要な影響を及ぼす不正・違法行為を発見した場合であって、監査役等に通知するなど被監査会社の自主的な是正措置を促す手続きを踏んだ上でもなお適切な措置がとられないと認めるときは、当該事実に関する意見を内閣総理大臣に申し出なければならないこととする。

監査法人等の責任のあり方について

1.

監査法人の責任のあり方を考えるにあたっては、刑事・行政・民事それぞれの責任の間の適切なバランスに留意しつつ、非違の抑止等の観点から、全体としての適切な水準を確保していくことが重要となる。

2.

刑事責任については、虚偽証明を行った公認会計士を社員とする監査法人についても刑事罰(両罰規定)を及ぼすべきではないかとの論点があるが、まずは行政的な手法の多様化等により対応することが求められることに留意し、引き続き十分な検討を行っていく必要がある。

3.

行政責任については、個別の非違事例に応じて適切に責任を問うことを可能とするため、業務改善命令や役員等解任命令等を導入するなど、処分類型の多様化を図っていくことが適当である。 また、非違事例を行った監査法人に対する業務停止処分は行政上の責任を問ううえで一つの重要な手段ではあるが、善意の被監査会社に与える影響等を回避していくためには、監査法人に対する課徴金等の納付制度の導入についての真剣な検討が強く求められる。

4.

民事責任については、現行の無限連帯責任形態の監査法人制度に加えて、有限責任形態の監査法人制度を導入し、非違行為に関係を有しない社員については有限責任化の途をひらいていくことが適当である。

監査法人等に対する監督のあり方について

1.

公認会計士・監査審査会によるモニタリングは、日本公認会計士協会による品質管理レビューを前提として行うとされている。 しかし、監査の質の管理のために必要があると認められるときには、品質管理レビューを待たずに、公認会計士や監査法人等に対して機動的に報告徴求、立入検査を行うことができるよう、規定上明確に手当てしておくことが適当である。

2.

証券市場の健全性を確保していくためには、我が国において提出される有価証券報告書等に関し、外国監査事務所が行う監査業務についても、その品質管理が適切になされていることが必要となる。 そこで、一定の外国監査事務所に対しては、例えば当局への届出または登録を義務付け、検査・監督の対象としていくことが適当である。

その他について

1.

監査法人における社員の競業禁止の規制については、この存在が個人の公認会計士による監査法人の組織化を敬遠させているのではないかとの指摘がある。 そこで、例えば監査法人の全社員の同意がある場合に、当該監査法人の社員が非監査証明業務を提供することについては、これを容認していくことが適当である。

2.

日本公認会計士協会がその規則において定めている継続的専門研修制度については、履修の更なる徹底を行う等、その充実が図られるべきである。

新着時事紹介 (5)

2008年04月20日:同時提供禁止業務で金融庁が監査法人を処分
2008年04月10日:内部者取引につき金融庁が公認会計士を処分
2008年04月03日:日本公認会計士協会による監査実施状況の調査結果(H18
2008年04月01日:ASBJが資産除去債務に関する会計基準を公表
2008年03月28日:日本公認会計士協会が監査基準委員会報告書等の改正を公表(H20-1

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