http://www.fsa.go.jp/singi/singi_kigyou/siryou/naibu/20051208/01.pdf
金融庁の企業会計審議会は、8日、内部統制部会で審議を行っている財務報告に係る内部統制の有効性に関する経営者による評価の基準および公認会計士等による検証の基準について、「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準のあり方について」を公表した。 これは、証券取引法上のディスクロージャーを巡り不適正な事例が相次いで発生していることを受け、ディスクロージャーの信頼性を確保するために、信頼しうる財務諸表の作成の前提となる企業の内部統制の充実を図ることを意図したものである。 今後、金融庁は、証券取引法を改正し、平成20年4月1日以後に開始する事業年度から内部統制の評価および公認会計士による監査の実施を義務付けるものと見られる。
新ルールにおいては、経営者による財務報告に係る内部統制の有効性の評価は、その評価結果が適正であるかどうかについて、公認会計士または監査法人の監査により担保される。 そして、「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準のあり方について」は、評価および監査に係るコスト負担が過大なものとならないよう、次のような措置を講じるとしている。
経営者は、内部統制の有効性の評価にあたって、まず連結ベースで全社的な内部統制の評価を行い、その結果を踏まえ、財務報告に係る重大な虚偽の表示につながるリスクに着眼して、必要な範囲で業務プロセスに係る内部統制を評価する。
内部統制の不備については、財務報告に与える影響に応じて「重要な欠陥」と「不備」の2つに区分する。 なお、米国においては、不備が3つに区分される。
米国で併用されているダイレクト・レポーティング(直接報告業務)は採用しない。 この結果、監査人は、経営者の評価結果を監査するための監査手続の実施と監査証拠等の入手を行うこととなる。
内部統制監査は、財務諸表監査に係る監査人と同一の公認会計士または監査法人が実施する。 また、内部統制監査報告書については、原則として財務諸表監査報告書と合わせて記載する。
監査人は、監査役などの監視部門と適切に連携し、必要に応じ、内部監査人の業務等を適切に利用する。
財務報告に係る内部統制の監査は、コスト負担増を懸念する企業側に配慮し、企業の財務諸表監査に係る監査人と同一の公認会計士または監査法人が実施することとされている。 しかし、これにより、今度は公認会計士側の負担増が指摘されているようだ。 事実、監査法人は、監査業務が増えるとの予測のもと、平成17(2005)年度における公認会計士第2次試験合格者の採用数を大幅に増やしている。 また、負担の軽減に着目しすぎると、ディスクロージャーの信頼性を確保するという本来の目的が達成されなくなるおそれがある。 これらの点を踏まえて、財務報告に係る内部統制の有効性に関する経営者による評価および公認会計士等による監査の義務化のあり方が真剣に検討されていくことが望まれる。
2005年07月14日:金融庁が内部統制の評価及び監査の基準(案)を公表。
2008年04月20日:同時提供禁止業務で金融庁が監査法人を処分。
2008年04月10日:内部者取引につき金融庁が公認会計士を処分。
2008年04月03日:日本公認会計士協会による監査実施状況の調査結果(H18)。
2008年04月01日:ASBJが資産除去債務に関する会計基準を公表。
2008年03月28日:日本公認会計士協会が監査基準委員会報告書等の改正を公表(H20-1)。
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