平成15(2003)年11月に経営破綻し一時国有化されている足利銀行は、16日、平成13年3月期決算の粉飾に加担し同行に損害を与えたとして、監査を担当した中央青山監査法人と当時の監査役に対し、違法配当分11億円の損害賠償を求める訴訟を宇都宮地裁に起こした。 同行の内部調査委員会によると、同行は、中央青山監査法人に所属する公認会計士の助言をもとに、極めて楽観的な予測により巨額の株式売却益を見込んで繰延税金資産を過大に計上し、また不良債権の処理損失を実際よりも少なく見積もり、株主に11億円を配当したとされる。 なお、政府の管理(特別危機管理)下にある金融機関が監査法人を提訴するのは初めてのこととなる。
足利銀行の粉飾決算について
足利銀行については、経営破綻前の平成13年3月期決算において、将来の税金負担額の軽減が見込まれる繰延税金資産を過大に計上して自己資本を水増しし、配当原資がないにもかかわらず優先株の株主に11億円を配当した疑いがあることが同行の内部調査委員会の調査で判明した。 繰延税金資産は、将来の課税所得を減少させ税金負担額を軽減できると認められる範囲で計上しなければならない。 しかし、足利銀行は、極めて楽観的な予測により巨額の株式売却益を見込んで、繰延税金資産を過大に計上していた模様だ。 もっとも、この同行の手法は他行においても恒常化されていたが、他行の多くは、経営手法や景気の改善により破綻を免れたものと推測される。 なお、同行は、平成15年9月の中間決算で、大幅な不良債権処理と繰延税金資産の全額取り崩しにより、1,800億円相当の損失を計上して債務超過に陥り、一時国有化されている。
2005年04月23日:中央青山監査法人が監査体制の見直しへ。
2005年01月26日:足利銀行の監査で金融庁が監査法人を処分。
2008年04月20日:同時提供禁止業務で金融庁が監査法人を処分。
2008年04月10日:内部者取引につき金融庁が公認会計士を処分。
2008年04月03日:日本公認会計士協会による監査実施状況の調査結果(H18)。
2008年04月01日:ASBJが資産除去債務に関する会計基準を公表。
2008年03月28日:日本公認会計士協会が監査基準委員会報告書等の改正を公表(H20-1)。
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